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事業計画 > 勉強会講師からの提言、アドバイス

【北見工業大学長 厚谷 郁夫(あつや いくお)氏】
平成12年11月22日の基調講演及び終了後の懇談会にて
〜摩周湖について〜

  • 摩周湖は流出入する河川が無く、湖水に関して外部からの影響を受けにくい環境にあり、環境庁主導によるGEMSモニタリング調査対象湖となっている。

  • 1980年代に中国で使用された農薬の成分が、忠実に摩周湖の湖水成分に反映されていることを考えると、摩周湖の湖水を調べることによって、地球規模の大気汚染の現状を把握することができる。

〜摩周湖の世界遺産登録活動について〜

  • 青年部のような若い人たちが先導して活動を行うことは良いことだと思う。ただし、「摩周湖を世界遺産に」ということだけに囚われるのではなく、世界遺産への登録活動と同じに、地元の受入体制を整え、地元でお金を落としてもらえる仕組みを確立させるべきではないか?その方法のひとつとして、地 場産品を開発し、レストハウスで売るとか、弟子屈に来なければ食べられない、買えないという商品を開発するべきではないか。

  • 今後の活動に際して、摩周湖の水質調査に伴なう様々なデータが必要な際には全面的に協力するし、環境庁等から情報収集が困難な際には、北見工業大学の名前を出してもらって良いので、是非頑張ってほしい。


シンクタンクせとうち総合研究機構 古田 陽久(ふるた はるひさ)氏
平成13年1月25日の講習会及び終了後の懇談会にて
〜摩周湖について〜

  • 世界遺産登録地に関しての所在地を考えると、登録がないのは北海道と四国だけであり、北海道での指定を考えると、自然遺産の部分が大きいと思う。
    道内で自然遺産の要素を考えると、日高地方の大雪山系と、道東地方の釧路湿原を含めた阿寒国立公園の部分、そして知床であろう。大雪、知床ともに世界遺産へ登録される要素は充分にあるが、摩周湖の透明度を全面に出し、科学的根拠の下に世界有数(もしくは1位)の透明度であるということを立証できれば、そういった物件よりも先に登録される可能性は充分あると思う。

〜摩周湖の世界遺産登録活動について〜

  • 摩周湖の世界遺産化を考えるにあたって、北海道で選定を始めている「北海道遺産」にまず第一に登録されることを考えるのが良い方法ではないか?
    そのために支庁をはじめ、本庁の関係部署に綿密に連絡をとり、情報収集をすることも重要な要素だと思う。

  • 北海道遺産登録と同時に考慮しても良いのが、文化庁で認定する「名勝」に指定させることである。名勝に指定されることは、文化財保護法により保護がなされることであり、当然指定されるべき物件であるのになぜ指定されないのか、という疑問を文化庁の方へ打診してみるのも良い方法かもしれない。

  • 弟子屈町内において、摩周湖に関する資料が非常に少ないように思う。道立の博物館を誘致したり、資料館を建設したりして、観光客に摩周湖を理解してもらう施設作りも重要な要素なのではないか?

  • 実行委員会を発足させるとのことだが、活動資金の捻出の為に、「摩周湖の会」などのファンクラブを設立して、会員から会費などを徴収し財源とするのも1つの方法であり、実際に富士山については「富士山クラブ」として活動を行っており、助成金等も受けたいという事であれば、実行委員会自体をNPO法人として認可申請を出せば、一般団体として活動するよりは助成金が受けやすくなるのではないか?国の助成金だけではなく、民間の団体、企業等で環境保護に関する助成を行っている所もあるので、検討材料に入れても良いのではないか?


神戸大学大学院経済学研究科教授 鷲田豊明(わしだ とよあき)氏
平成13年2月1日の講習会及び終了後の懇談会にて
〜摩周湖について〜

  • 国立環境研究所にあるデータベースを見る限り、平均値で各調査年を追っていくと、昭和初期に記録した41mの記録から徐々に摩周湖の透明度が下がりつつある傾向にあるように思える。国立環境研の担当官に問い合わせたところ、摩周湖の透明度についてはさほど重要な要素と捉えてないようだし、弟子屈町としてもそうした問題が提起されていないようだ。摩周湖に関する環境評価を行う場合には、その透明度を守る為のシナリオを提示して調査するのがベストだと思う。

  • 地元弟子屈町に摩周湖に関する資料館や体験型の学習施設がないのは意外に思う。摩周湖の水質調査の方法などを観光客に知ってもらい、摩周湖に対する理解を求める意味でも資料館などは是非必要だと思う。

〜摩周湖の世界遺産登録活動について〜

  • 若手が先導して活動をしていることは非常に良い傾向にあると思う。

  • 町内の住民に対して認知度調査を行っても良いのではないか?



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